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Text-log

向こう側

私の外にあるものを見たいのに 私という偏光フィルター あなたを見たいのに あなたの外側ばかりが映る 私たちの違いを知りたいのに その違いを受け止めきれずに 全く違うものに成りたがる性質が どこまでも自分をベースにする わたしとあなたの起源から 変わらないことがある...

餌食夢(えじきゆめ)

なにも膨らまない夢に 流れもしないため池は淀み どこも晴れない空に いずれもみないふりをする その足踏みがきれいな音を立てて とったんとったんたん 階段を踏み外したから 地面は底なし沼のよう ここが海なら多くが賑わい それが雨なら広くを潤しただろう...

みえなかった×未得なかった

当たり前の平面の中 立体でいたがる空間は どこにもいけず なににもなれず 四角い箱の中 球でいたがる星々は かどをもてず はしをけずられ わたしのなか なにものかでありたがるそれは だれかを模倣し なにかを付与し そうではないものたちのみえない踊り そうであることに蓋をして...

「漂うただの様」

あなたに一歩、わたしに一歩。 一つの点は乖離して二つの点に分裂する。 繰返し繰返し分裂し、無数の点がそれぞれ一歩。 座標を浮遊し、軸を遊び、弧を描き、 やがて一つの円となり環となって世界はまわる。

「浮遊する軸」

"When already too late." ANDorBUT "It's never too late." 相対的な速度 それはもう過ぎたのかもしれないし まだ先なのかもしれない ひとつ確かなのは 生きているなら死ぬより手前ってこと

「虚空に咲く花」(こくうにさくか)

ただ在るだけの現象がそこに描かれていて 意味の有無や正しさの追求など まるでなんの必要性もないように その姿になにをみるかすら持つ必要もなく そこにあったひとつの姿

「砂の中の星」

星の数ほどのなかで きっと見つけられないだろう 辿り着けないだろう そもそも探してすらいないだろう それでも星が輝こうとするのは そもそも他者のためではなかった

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